価値革命 value revolution 2004 9 13
本屋で、「知識資本主義」という本を見かけました。
確かに、そうなるかもしれない。
その兆しはあります。
たとえば、マイクロソフトやハリー・ポッターが、その兆しかもしれない。
まず、マイクロソフトについて書きましょう。
昔、私がコンピューターに出会った頃の話です。
その当時は、コンピューターと言えば、IBMの汎用コンピューターと決まっていました。
OS(基本ソフト)は、コンピューターを購入すれば、おまけで付いてきたようなものでした。
ソフトウェア(応用ソフト)は、当然、自分でプログラムを書いていました。
だから、OSやソフトウェアが、商売になるとは、夢にも思いませんでした。
次に、ハリー・ポッターについてです。
こういう表現が適当かどうか、わかりませんが、
要するに、魔法界の知識や情報を商売にしていると言えるでしょう。
これも、「知識資本主義」と言えるかもしれない。
20世紀は、土地や資金による資本主義でした。
つまり、ある程度の土地や資金がないと、成功しない資本主義でした。
ですから、そういうものを所有していない人は、銀行から、お金を借りる必要があったのです。
しかし、銀行から多額の資金を借りてしまうと、成功の可能性は低いのです。
そういうわけで、確実に成功するには、金持ちの家に生まれる必要があったのです。
これは、「人間は、生まれながらにして不平等である」と言えるでしょう。
しかし、「知識資本主義」によって、こうした不平等は解消されるかもしれない。
知識が資本となるならば、誰でも努力次第で成功する可能性があります。
もちろん、ここにも、「人間は、生まれながらにして不平等である」という状況があるかもしれない。
良好で高品質の教育が、私立学校でしか受けられないとするならば、やはり不平等でしょう。
そういうわけで、公立学校における使命は、大きいものと言えるでしょう。
残念ながら、日本においては、
公立学校の教師は、その使命感が弱く、工場の労働者に近いと言えます。
決められたことを機械的にこなしていき、それで給料をもらうという存在になっています。
教師とは、労働者ではなく、社会の建設者です。
いや、国家の建設者でもあるのです。
教師は、こうした「聖なる職業」なのに、どうして、労働者になってしまったのか。
21世紀が知識資本主義となるならば、教師は、極めて重要な役割を果たすことになるでしょう。
書名 知識資本主義
著者 レスター・C・サロー
出版社 ダイヤモンド社
FORTUNE FAVORS THE BOLD
What We Must do to Build A New and Lasting Global Prosperity
LESTER C. THUROW
参考までに、過去に出版された本も紹介しておきます。
書名 知識資本主義
ビジネス、就労、学習の意味が根本から変わる
著者 アラン・バートン=ジョーンズ
出版社 日本経済新聞社
KNOWLEDGE CAPITALISM
Alan Burton-Jones